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タスペーサーはなぜ必要?縁切り不足で雨漏り

更新日:2024.8.26

 スレート屋根の重なり部分の「隙間」は屋根、お住まいを健康に保つために欠かせません。屋根塗装の際に隙間を確保する方法は「縁切り」と呼ばれ、2つのやり方があります。手作業で塗膜に切り込みを入れていく方法と、タスペーサーという部材を重なり部分に設置する方法です。どちらも隙間を作るための作業なのですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

「縁切り」の方法 手作業で塗膜を切る

 「皮すき」という金属のヘラ状のものや、カッターを使って手作業で塗膜に切り込みを入れ、隙間を確保する方法です。屋根塗装がすべて終わったあとに行います。

メリット:タスペーサーを使わないため、費用を抑えられる。

デメリット:手作業のため作業時間がかかる(80㎡の屋根に対し2人の作業員で約8時間)

完全に乾く前に切り込みを入れると、作業後に重なり部分の隙間が塞がれてしまうことがある

関係ない部分の塗膜を傷つける、または剥がしてしまうことがある

重なり部分の先端「小口」を傷つけてしまうことがある

「縁切り」の方法 タスペーサーによって隙間を確保する

 下塗りが乾燥したあとに「タスペーサー」という部材を差し込んで隙間を確保する方法です。タスペーサーは本体のバネ性能によって隙間を確保するため、その部分に重ね塗りしても隙間が塞がりません。

メリット:関係ない部分の塗膜を剥がす恐れがない

重なり部分の先端「小口」を傷つけなくて済む

作業時間が短縮される(80㎡の屋根に対し2人の作業員で約2~3時間)

デメリット:タスペーサーの費用がかかる (80㎡の屋根で作業費込みで3万円~)

タスペーサーの種類

 タスペーサーには3つの種類がありますが、サイズはすべて横5㎝弱、縦4㎝弱のポリカーボネイト製です。ポリカーボネイトという素材は踏んでも割れないほどの強度があり、加工しやすいためさまざまな用途に使われています。

 スレート屋根材1枚につき使うタスペーサーは2個です。1㎡あたり10個、80㎡のスレート屋根なら800個のタスペーサーを使用する計算になります。ポリカーボネイト自体は安価な素材なので、1個当たりの値段は数十円です。

 2017年5月に発売された新製品で、従来のものより塗料の溶剤に対する耐性がアップしました。さらに毛細血管現象が起こりにくい形状をしており、雨水の切れと通気性が良くなっています。

 タスペーサー02は家のような形をしたタイプで、スレートの痛みがない場合に使用します。手で重なり部分の隙間に差し込むことができます。

 タスペーサー03はスレートや下地が傷んでいる場合に使用します。