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ガルバリウム銅板の塗装

更新日:2024.9.11

「ガルバリウム鋼板には塗装が必要」と聞いたことはありませんか?
事実、ガルバリウム鋼板には定期的な塗り替えが必要となり、塗装によってよりガルバリウム鋼板を長持ちさせることができます。
そのためにも、ガルバリウム鋼板についての知識を深めておけば、より適切な時期に適切なメンテナンスを行うことができるでしょう。
こちらのページでは、ガルバリウム鋼板に塗装が必要な理由、ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット、ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法などを解説していきます。

そもそもガルバリウム鋼板ってどんな素材?

ガルバリウム鋼板は、ベスレヘムスチール社(アメリカ)が開発したアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板です。
1982年から日本での販売も開始され、世に出てからすでに30年以上も経っている実績のある素材です。

ガルバリウム鋼板を簡単に言えば、「ガルバリウムという合金でめっきされた鉄」です。
ガルバリウム鋼板を販売している日本製鉄によると、ガルバリウムのめっき組成は、「アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%」

ガルバリウムのめっき組成は「アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%

そのため、JIS規格での正式名称は「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」となっています。
ただ、一般的には「ガルバ」と略されたり、「GL」と呼ばれることも多いですね。

今でこそ建築業界においてはなくてはならない建材となったガルバリウム鋼板ですが、販売当初は全く見向きもされなかったそうです。
なぜなら建築業界では、新しい素材を使うことに対して非常に保守的だからです。
カタログ通りの性能なのか、メーカーが公表してる耐用年数まで本当にもつのか、その実績が無い素材を容易に使うことができない訳ですね。
だからこそ販売から年月が経っている素材が重宝され、新発売の商品は見向きもされないのです。

しかし、販売開始から30年以上経過し、ガルバリウム鋼板は着実に実績を積み重ね、信頼性・安全性を確立しました。
そして、現在では「耐久性が高く軽量な建材」として、地震大国の日本において外壁だけでなく、屋根材としてのニーズも高まっています。
屋根材としてガルバリウム鋼板は、2017年以降スレートや瓦を抑えてトップシェアを誇っているほどの人気素材なのです。


ガルバリウム鋼板の費用相場・耐用年数について

ガルバリウム鋼板を外壁や屋根に採用する場合、費用相場は4,000〜5,000円/1㎡となっています。
また、耐用年数はおよそ25年から35年と言われています。
ただし、ここでいう耐用年数とは、メーカーが公表している「期待耐用年数」であり、必ずしも25年から35年は何もしなくても大丈夫という訳ではありません。
建物の立地、取り巻く自然環境によって耐用年数は変動しますし、金属素材は10〜15年ごとの定期的な塗り替えが必要とされています。
この定期的なメンテナンスを怠れば当然耐用年数は短くなってしまうので注意しましょう。


ガルバリウム鋼板は暑い?うるさい?

「ガルバリウム鋼板だと夏場は室内が暑くなるんじゃないの?」
「ガルバリウム鋼板を屋根材に使うと、雨音がうるさくなるんじゃない?」
と思われる方も多くいらっしゃいます。

ガルバリウム鋼板は金属材に分類され、さらに厚みが0.35mm~0.5mmと非常に薄い商品が多いです。
そのため、同じ金属材である昔ながらのトタンに対して持っている「夏場は日差しを浴びて熱くなる」「雨が叩きつける音が室内に響く」といった印象が、そのままガルバリウム鋼板に対しての印象になってしまっているのでしょう。

しかし、現在のガルバリウム鋼板は素材の裏側に断熱材を取り付けた「断熱材一体型」が主流です。

そのため、トタンなどの金属材の問題点だった断熱性・遮音性がしっかり解消されています。
メーカー発表の測定によれば、他のサイディングやスレートと比較しても断熱性や遮音性が優れているとの結果も出ています。

ガルバリウム鋼板は暑い、ガルバリウム鋼板はうるさいというのは昔のこと。
外壁にも屋根にも採用しやすく、耐久性だけでなく断熱性・遮音性にも優れた建材なのです。

外壁にガルバリウム鋼板を採用するメリット一覧

外壁にガルバリウム鋼板を採用するメリット一覧

前項で、ガルバリウム鋼板とはどういった素材なのかを解説しました。
ここでは、具体的にガルバリウム鋼板にはどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。

金属材の中では抜群の防錆性

トタンなど他の金属材と比べて、ガルバリウム鋼板は非常に優れた防錆性を持っています。
金属材と呼ばれているので素材が鉄のように思われがちですが、ガルバリウム鋼板は主原料がアルミニウムです。
そのため、海の近くの塩害が起こりやすい地域でも他の金属材より長持ちします。

防水性が高い

外壁材にサイディングを採用した場合、サイディング同士の間の隙間を埋めるためにコーキングを充填します。
しかし、コーキングは10年程度で劣化が始まり、ヒビ割れが起こったり硬化してしまえば防水性が損なわれ、雨漏りのリスクが高まります。
そのため、外壁に問題が無くてもコーキングの打ち替え・打ち増しを行う必要があります。

また、ALCを採用した場合、ALC自体は非常に高耐久で軽量な優れた建材ですが、吸水性が非常に高いというデメリットがあります。
そのため、防水性を維持するための定期的な塗り替えが欠かせません。

一方ガルバリウム鋼板は、施工による隙間ができにくく、水が内部に入りにくい構造になっており、雨漏りが発生しにくい建材と言えます。

耐震性の向上が期待できる

ガルバリウム鋼板を建材、特に屋根材として使用すると耐震性の向上が期待できます。
屋根材に瓦などの重たい素材を使用すると、屋根全体が非常に重たくなり、建物の重心が高くなってしまいます。
重心が高くなると地震の際の揺れの影響を受けやすくなり、建物躯体に破損や歪みなどの被害が出る恐れもあります。

1㎡あたりの重量を見ると、瓦がおよそ50kg/1㎡、ガルバリウム鋼板であれば厚みにもよりますが平均しておよそ5kg/1㎡。
なんと瓦の10分の1の重量しかありません。
そのため、屋根リフォームの際に瓦からガルバリウム鋼板へ変更することで屋根全体を軽くすることができ、結果的に耐震性を高めることができるのです。
瓦からガルバリウム鋼板への変更は、屋根リフォームにおいて近年非常に人気のある工事です。

外壁にガルバリウム鋼板を採用するデメリット一覧

上記でガルバリウム鋼板のメリットをお伝えしましたが、もちろんデメリットがない訳ではありません。

傷がつきやすい

上述の通り、ガルバリウム鋼板は「ガルバリウムという合金でメッキされた鉄」です。
この表面のメッキは薄く、例えば台風など強風の際の飛来物によって簡単に傷がついて剥がれやすくなっています。
そして、メッキが剥がれた箇所は水に対して無防備になってしまうため、その箇所から錆が発生しやすくなってしまうのです。
また、金属材特有の凹みやすいというデメリットも持っています。
台風など強風の後には、目視で構いませんので一度傷や凹みができていないか建物周囲をチェックするようにしましょう。

他の外壁材より割高

コロニアルやサイディングなど、他の外壁材より導入コストがかかってしまうのは皆様にとっては大きなデメリットとなるでしょう。
また、塗装工事はどの塗装業者でも可能ですが、張り替えや重ね張りなどの施工においては専門的な技術・知識を持った板金工でないと扱えない建材です。

デザインのバリエーションが少ない

サイディングなど他の外壁材と比べると、ガルバリウム鋼板は金属材特有のシンプルなデザインとなっています。
そのため、「性能で考えればガルバリウム鋼板を使いたいが、外観を考えればもっとおしゃれな外壁材を使いたい…」といったケースも出てくるでしょう。