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サイディング塗装と張り替えお得なのは?
更新日:2024.9.26
ご自宅の外壁が傷んだり汚れてきた際には外壁リフォームを検討されるかと思います。
しかし外壁リフォームには、「外壁塗装」「外壁張替え」「外壁カバー工法」などいくつか工事の種類があるため、「自分の家にはどの工事が適しているんだろう?」と悩まれる方も多くいらっしゃいます。
工事によって費用は大きく変わってきますし、一口に同じ外壁リフォームと言っても、その施工内容もメンテナンス効果も工法によって大きく異なります。
こちらのページでは、外壁リフォームを検討されている方の参考になるように、それぞれの工事の内容や費用、外壁材ごとの注意点などをを解説していきます。
外壁塗装・外壁張替え・外壁カバー工法の工事内容を徹底比較
外壁のリフォームと聞くと多くの方が思い浮かべるのが「外壁塗装」ではないでしょうか?
しかし外壁リフォームには塗装以外にも、既存の外壁を撤去し新しいものへと張り替える「「外壁張替え」、既存外壁の上から新しい外壁材を張り付ける「外壁カバー工法」があります。
どの工事が自宅の外壁リフォームに適しているかは、現在の外壁の状態はもちろん、使用している外壁材、築年数、そしてその家にあとどれくらい住む予定なのか?によっても異なります。
いずれの工事も目的は「外壁を適正な状態に戻し、外壁の劣化進行を止める or 外壁の劣化を修繕する」ことです。定期的に適切なメンテナンスを行うことで外壁の寿命を延ばすことが、建物全体の寿命を延ばすことに繋がります。
外壁塗装
外壁のリフォームと聞いて多くの方が思い浮かべるのが外壁塗装ではないでしょうか。
外壁塗装は皆様もご存じの通り、塗料を外壁に塗布することで塗膜を形成し、塗膜によって防水性を確保し、紫外線や雨風から外壁を守るために行われます。また、外壁塗装ではただ塗料を塗るだけでなく、クラック(ひび割れ)や塗膜の剥がれが浮きがある場合には修繕作業を行います。
外壁塗装は一度行えばそれで終わりという訳ではなく、最も汎用的なグレードであるシリコン塗料で10年〜15年、ハイグレードであるフッ素塗料で15年〜20年程度で塗膜の劣化が進行します。
そのため、塗膜に劣化症状が現れたら塗り替えを検討するサインとなるので、ぜひ覚えておきましょう。
どれほど高機能な塗料であっても、現在では耐用年数が30年以上の塗料というものは存在しません。
悪徳塗装業者などは「自社開発した塗料で、耐用年数が30年以上なのでコストパフォーマンスが最高ですよ!」と怪しげな塗料を勧めてくる場合があります。しかしそのほとんどが既製品を混ぜ合わせただけの粗悪品なので、悪徳塗装業者の嘘に騙されないようにご注意ください。
外壁塗装は外壁張替えや外壁カバー工法と比べると費用も安く、比較的に手頃に行える外壁リフォームです。また、選ぶ塗料によって遮熱・断熱機能や雨水で外壁の汚れを洗い流してくれるセルフクリーニング機能といった新しい機能を手軽に付与することもできます。
どのグレードのどんな塗料を選ぶかで費用は大きく変わってくるので、ご自身のご要望をしっかり塗装業者に伝え、最もコストパフォーマンスの良い塗料を選ぶようにしましょう。
外壁張替え
外壁張り替えは、既存の外壁材をすべて撤去し、新しい外壁材へと張り替える工事です。
外壁表面の外壁材だけでなく、外壁内側の防水シートや過去に雨漏りなどが発生し外壁内部に痛みや腐食などが発生している場合でもすべて修繕することができます。
そのため、外壁リフォームにおいてメンテナンス効果という意味では最も効果的な工事と言えるでしょう。また、建物の構造や強度にもよりますが、新たに張り替える外壁材は自由に選ぶことができるので、住まい外観の雰囲気を大きく変えることもできます。
もし外壁から雨漏りが起こっている場合は、外壁塗装だけで雨漏りを完全に止めることはできません。
外壁塗装ではあくまでも外壁表面のメンテナンスしかできないため、外壁内部の修繕・補修ができないからです。外壁で発生した雨漏りの修理においては、こちらの外壁張替えが選ばれる場合が多いです。
非常にメンテナンス効果の高い外壁張替えですが、既存外壁の解体・撤去、さらに廃材の処分費用が発生するので、外壁リフォームの中では最も高額な工事となります。外壁張替えの唯一にして最大のデメリットと言えますね。
外壁カバー工法
外壁カバー工法は、既存の外壁材の上から新たに外壁材を張り付ける工事です。
外壁材を被せる(カバーする)ことから、外壁カバー工法と呼ばれています。
モルタルやALC、サイディングといった外壁表面の外壁材は耐用年数が過ぎて劣化してしまったけど、外壁内部には劣化が少なく強度的にも問題が無いといった場合に採用されます。
外壁張替えと比べて、既存外壁の解体・撤去、廃材の処分費用が発生しないので、外壁張替えより費用を抑えることができます。また、外壁が既存外壁材と新しい外壁材の二重構造となるため、断熱性や遮音性の向上も期待できます。
ただし、外壁が二重構造になるということは、同時に重量が増してしまい耐震性が低下します。
詳しくは後述しますが、外壁カバー工法では新しい外壁材には外壁材の中で最も軽量な金属系サイディングを採用することとなります。
外壁表面が新品になるため塗装工事よりメンテナンス効果が高く、住まい外観の雰囲気を大きく変えることができる外壁カバー工法ですが、あくまでもこの工法を採用できるのは「外壁内部には劣化が少なく強度的にも問題が無い場合」なのでぜひ覚えておいてください。
外壁張替え・外壁カバー工法では外壁材の重量に注意!
この記事をご覧になっている方の中で、インターネットで「外壁張替え」で検索した際に、同じ意味で「外壁サイディング張替え」という言葉が使われているのを見たことはないでしょうか?あえて「サイディング」と書かれているのには理由があります。
外壁張替え・外壁カバー工法をご検討中の一点覚えておいていただきたいのが、既存の外壁材より重たい外壁材は採用しない方が良いという点です。なぜなら、建物の柱や梁などの筐体は「どれくらいの重量を支えることができるか」が計算されており、その数値を超えるような重たい外壁材を採用してしまうと耐震性が著しく低下するからです。
外壁材として使用される各建材の重量は以下のようになります。
●モルタル約36.4kg/㎡
●ALC約18.8kg/㎡
●窯業系サイディング約17.3kg/㎡
●金属系サイディング約3.6kg/㎡
各外壁材の中でサイディングは比較的軽量な外壁材であるのがおわかりいただけると思います。
そのため、「外壁張替え」とほぼ同じ意味で「外壁サイディング張替え」と表記される訳です。
この内、外壁張替えでは窯業系サイディングも使用することができますが、外壁カバー工法では採用できるのはほぼ金属系サイディング一択となります。
外壁カバー工法は既存外壁の上に新たに外壁材を張り付ける工事となるため、外壁の重量が増加することがあっても低下することはありません。そのため、外壁の重量増加を少しでも抑えるために、外壁カバー工法では窯業系サイディングの約1/5しか重量がない金属系サイディングが選ばれるのです。
外壁の重量は住まいの耐震性に大きく関わってきますので、ぜひ覚えておきましょう。
外壁塗装・外壁張替え・外壁カバー工法の費用を徹底比較
次に、各外壁リフォーム工事の費用について見ていきましょう。
ここでは、30坪の2階建ての戸建て、外壁張替えは窯業系サイディング、外壁カバー工法は金属系サイディングの使用を想定しています。工事名費用相場耐用年数外壁塗装60万円~100万円10年〜20年外壁張替え180万円〜200万円40年〜外壁カバー工法150万円〜180万円40年〜
一度限りの工事費用だけで考えると、やはり外壁塗装が一番お得に外壁リフォームを行うことができます。
ちなみに、外壁塗装の工事費用の幅が大きいのは、どんなグレードの塗料を使用するかで価格が大きく変わってくるからです。
最も汎用的なシリコン塗料であれば、工事単価は1,800円〜3,000円/㎡ですが、ハイグレードのフッ素塗料なら3,500円~4,500円/㎡、最も高価な無機塗料では3,500円~5,000円/㎡と1㎡あたりの単価は倍程度違ってきます。
ここで注意したいのは、なんでも高価な塗料を使用すれば良いという訳ではないという点です。
塗料は、価格が高額になるほど耐用年数も延びる傾向にあります。
しかし、例えば「今10歳の子供が成人したら夫婦2人で小さい家に移り住もうと考えている」という方にとっては、耐用年数が20年〜25年の無機塗料はもったいないと言えます。
そのケースであれば、耐用年数が10年〜15年のシリコン塗料を選んで問題ありません。
このように、塗料を選ぶ際は塗料の機能、費用といった点以外にも、ご自身のライフプランなども考慮する必要があるのです。